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環境・CSRCSR

環境レポート

松山株式会社 2007環境活動レポートMATSUYAMA CSR REPORT 2007

環境目標とその実績

(1)目標 当社は以下の目標を掲げて環境活動に取り組んできました。

1.環境保全型農業への取組
環境にやさしい機械の開発
2.二酸化炭素排出量の削減
空調におけるガスおよび灯油の使用量を前年比10%削減。
電力使用量を前年比10%削減。
3.廃棄物排出量の削減
燃えるごみの単純焼却量を前年比10%削減。
紙(帳票)使用量を前年比10%削減。
紙(コピー用紙)使用量を前年比10%削減。
4.環境保全への取組
国蝶「おおむらさき」の生育自然環境の保全
調整池の水質改善
5.上水道使用量の削減
上水道使用量を前年比10%削減。

(2)目標の達成状況 年間(1-12月)使用量実績

2005年度2006年度2007年度2008年度
空調におけるガス使用量(t)290275262▲4.7%
空調における灯油使用量(kl)13110077▲23.0%
電力使用量(KWh)2,439,4542,361,1252,295,854▲2.7%
燃やすしかないゴミの単純焼却量(kg)7,0707,0103,710▲47.0%
紙(帳票)使用量(kg)2,1001,5401,260▲18.1%
紙(コピー用紙)使用量(kg)3,5143,4823,202▲8.0%
ウエス購入量(kg)-1,6501,275▲22.7%
上水道使用量(t)15,18913,7249,465▲31.0%

主要な環境活動の計画と取組結果の評価

(1)環境保全型農業を支援する機械類の研究・設計

2007年度については、減農薬・減肥料・有機肥料の使用・除草剤を使用しない栽培体系など、環境にやさ しい農業を支援する作業機の開発研究を継続して進めてきました。 まだ結果のでない課題を多く残してしまいましたが、新たに資源の有効活用、環境負荷の軽減に取組むことができました。

■資源の有効活用

  • 車速連動型の作業機...施肥・播種量をトラクタの走行速度に連動させて作業を行う事で、資源を有効活用出来る作業機の開発に取り組んでいます。
  • 耕うん爪のライフサイクルを伸ばすための耐摩耗性向上の研究に取り組んでいます。

■環境負荷の軽減

  • 製品を塗装する塗料の無鉛化の研究を進めています。

■低燃費(CO2排出量削減)

  • 省力作業機・・・作業抵抗を減らし、トラクタに対する負荷を減少させ燃料の消費を抑える作業機類の商品化に取組んでいます。
  • 広幅耕うんロータリ・・・従来機種より、幅広く耕せるロータリの開発に取り組んでいます。

■景観の維持(除草剤の削減)

草刈機・・・路肩や果樹園の樹間の雑草が刈れるスライドモアのシリーズ化で4月に小型機種として型式TDS1400を商品化しました。

■減肥料栽培体系

  • 農業試験場と共同研究として取組中です。

(2)空調におけるガスの使用量

2007年度のガス使用量については、以下の取組みの結果4.7%低減ができましたが、目標達成にはいたりませんでした。今後目標達成のためにはプロセスの改善が必要と思われます。

■基準温度の変更

暖房を入れる温度を「23℃以下」から「20℃以下」とすることを決定し、温度管理を継続してきました。新基準により各フロアに掲示のポスターの内容・デザインを更新し意識を高めてきました。

■社内電子掲示板の利用

  • 部会からのお知らせやお願い事項を、社内のネットワークを利用し、社員にタイムリーに伝えました。本社での活動が他の事業所にも伝わり、全社的な活動になることを期待しています。

■ガス使用量の計量

  • 今までは工場全体の使用量しか把握しておらず、取り組みの成果を数値により把握できませんでした。今回より事務所空調装置のみの燃料(LPガス)使用量の調査を開始しました。

(3)空調における灯油の使用量

灯油使用料については、以下の取組みの結果、前年比23.0%低減となり目標を大幅に達成できました。しかし、昨年より月平均気温が上がっているにもかかわらず、使用量が増加してしまった月もあり、一部課題も残してしまいました。

■納入業者出入り口の変更

  • これまで組立課への納入業者は、北側シャッターより出入りしていたため、都度冷気が室内に入り込んでいました。そこで、これまで使用していなかったドア前の棚を撤去し、ドアから出入できるように改善しました。また、納入業者に対し、シャッターを閉めてもらえるよう、シャッター部に注意書きを貼り付けました。冷気の流入を防止したことで、光熱費の節約に寄与できたと思われます。

■朝の暖房着火におけるルールの見直し

  • これまでは朝の外気温を目安に工場全体の暖房を同時に着火していましたが、職場ごとに温度が異なり暖かいゾーンもありました。そこで温度管理表に従い、朝8時時点での室内温度により、暖房が必要なゾーンのみ着火するよう改善しました。

■自動温度管理

11月に5系統28台の各暖房機にサーモスタットを取り付けました。設定温度(16℃)以上になると暖房が自動的に切れるようになったことで、暖房の切り忘れが防止できるようになりました。真冬は16℃まで室温が上がらないため、サーモスタットの効果はでませんでしたが、今後の結果に期待したいと思います。

(4)電力使用量

2007年度の電力使用量については、2月より省エネパトロールを実施し、すぐ取組めることから開始しました。しかし、本年は実態の把握や検討が主となってしまったため、結果は前年度比2.7%の低減に止まりました。

■電力の消費実態の把握

工場内の設備に使用される電力が非常に大きく、その消費実態を把握するため電力測定器を購入しました。電力消費が大きいと思われる設備機器(水銀灯・炉・ボイラー)について消費電力量を測定し把握しました。

■省エネパトロール実施

2月より管理職を主にチームを編成し、省エネパトロールを開始しました。目標達成に向け、ある程度大きな効果が期待できる方策と、地道な活動の両面で検討を進めました。大きな効果が期待できる方策として、工場内の水銀灯を700ワットから高効率で光束の大きな360ワットのものに変更する方向で検討を進めています。また、地道な活動としては、こまめな照明スイッチ入り切りの徹底指導や工場内エアー機器のエアー漏れ点検修理を都度実施しムダの削減に努めました。

■天井照明点灯エリア変更

  • 2階開発部フロア・3階食堂の照明エリアを見直し、ムダに点灯してしまう照明をなくすための検討を進め、昨年の2階に続き、本年は3階食堂の工事が完了しました。必要最小限のエリアでのみ点灯使用することが可能になりました。

■ライトダウン行動実施

  • 弊社の取組みとしてノー残業デー(6月22日)および家庭でのライトダウン(6月24日)を設定し実施しました。灯かりを消し家族や友人と地球温暖化の影響や防止策について考え、明日の地球を救う起点としました。

(5)燃やすしかないゴミの単純焼却量

2007年度の燃やすしかないゴミの単純焼却量については、ゴミ分別容器の整備や新分別基準による教育を部署ごとに順次取組んだ結果、前年比47.0%低減となり大幅に目標を達成できました。

■ゴミ分別容器の整備

  • 必要に応じ各職場にゴミ分別容器を設置し整備しました。ゴミ分別容器には、使用済みの溶接ワイヤーパックや、一時保管のために一斗缶を加工し再利用しました。

■新分別基準による教育

  • 昨年12月1日より丸子地域クリーンセンターの「燃やすしかないゴミ」の受入れが厳しく規制されたため、その指導趣旨に沿った新分別基準によるゴミ分別説明会を、部署ごとに順次行いました。また、新分別基準をゴミ分別容器に貼り付け、社員への徹底を図りました。

(6)紙(帳票)使用量

2007年度の帳票の使用量については、帳票管理ソフト(リストワークス)を継続活用してきました。必要部分のみを印字するよう社員の意識も変わり、前年度比18.1%の削減と、前年に引続き大幅に目標達成できました。

■帳票管理ソフト(リストワークス)の継続活用

  • 当初は当社専用帳票に限り進めてきましたが、その後大量印字のストックフォーム(線入様式)印刷もリストワークス化し継続的に活用してきました。

■納品伝票の削減

  • 納品書を電子データ化することで「控」伝票のファイリングを廃止し社員の工数を削減しました。そして、汎用性の高いレーザープリンタに切り替え複写伝票を単票化し、操作性の向上と使用枚数の削減をしました。

(7)紙(コピー用紙)使用量

2007年度のコピー用紙の使用量については、使用量削減に向けた裏紙使用や印刷方法の徹底により、前年度比8.0%低減できましたが、惜しくも目標達成にはいたりませんでした。一部職場で裏紙の再利用にまだ取組めていないことが一要因と思われます。

■裏紙の再利用

  • プリンタ出力時には裏紙使用を原則とし、社外提出用や両面プリント時のみ新しい用紙を使用するように決め実施してきました。プリンタの購入も含め継続的に検討し進めたいと思います。

■印刷方法の再徹底

  • 社内電子掲示板を使用し、用紙使用量削減に向けた印刷方法(両面印刷や一ページに数ページ分まとめて印刷する方法)や、一枚当たりの印刷単価(白黒とカラーの比較)を社員に伝えることで個々の認識を高めました。

(8)ウエス購入量

ウエス購入量については、家庭でいらなくなった衣類を集め、ウエスとして再利用したことで前年比22.7%低減となり大幅に目標を達成できました。

これまで、安価な濃色ウエスを購入し使用していましたが、油等の吸水性が悪く効率的に使用されていませんでした。社員より「家庭でいらなくなった衣類をウエスとして再利用したらどうか」との提案を受け検討を進めました。吸水性の良い綿混に限定して収集し、効率的に使用することで、ウエス購入費の低減と使用済みウエスの削減に繋げることができました。

(9)社有林管理

2007年度の自然環境保全の取組みについては、社有林内の遊歩道を延長し、木材チップを敷き遊歩道を整備することができました。

■社有林遊歩道の整備

社員をはじめ地域の皆さんが利用できる里山にすることを目的として、本年も引き続き遊歩道を整備しました。今回は、西側と東側を繋ぐ遊歩道が開通し、1.5kmほどの遊歩道が完成しました。 オオムラサキ観察会をひかえ、多くの社員の協力により遊歩道に木材チップを敷きました。今年は、西側と東側を繋ぐ一番長い遊歩道が開通したので木材チップの搬送距離が長く大変な作業となりましたが、とても歩きやすいすばらしい遊歩道に仕上がりました。また、ところどころに松くい虫の被害木を利用して作ったベンチを設置しました。

■ニプロ林間学校の開催

8月には、社員の子弟・孫の中で小学生を対象に集め、林間学校を開校しました。遊歩道を散策し、社員講師の説明で植物、昆虫、蝶などの観察会を行いました。また、小鳥(シジュウカラ)の巣箱作りを行い、ものづくりの楽しさや森林と鳥との関わり、自然の大切さについて学びました。

■松くい虫対策

後世に赤松林を残すため、松くい虫の被害予防として、人体にも環境にもやさしい樹幹注入剤(魚毒性A類)を、本年は社有林内の松36本に注入しました。毎年継続して行きます。

(10)国蝶「オオムラサキ」の生育環境保全

2007年度の蝶の生育自然環境保全の取組みについては、例年同様の取組みを実施しました。7月の1ヵ月間実施の個体数調査から、昨年一昨年に比べだいぶ個体数は増えたように思われます。

■餌台の設置

エノキ近くの遊歩道脇に設置している餌台を更新しました。昨年同様2ヶ月間フルーツを置き、蜜を吸わせ丈夫な卵を多く産ませるよう取組んでいます。

■個体数調査を実施

7月の1ヵ月間、昨年同様交替でコースを回り、オオムラサキを数えました。結果からみると雄の発生は例年並みでしたが、3週間近くだらだらと羽化したようです。雌は雄より10日ほど遅れ羽化していますが、昨年より4日早く見られました。平均個体数を単純に計算すると25頭/日で、昨年の2倍に相等します。多い日には60頭以上を確認しました。間伐により樹液の出る木が増え、特定の樹(クヌギ・コナラ)や餌台に多く集まっていたこともありますが、長引いた梅雨の晴れ間には非常に多くの蝶が飛び交う姿を観察できました。

■オオムラサキ観察会を開催

7月14日(土)に実施し、周辺地域から116名の来場者がありました。台風の影響で朝から雨が降り気温も下がったため、飛翔する姿は見えませんでしたが、クヌギやコナラの幹にとまり樹液を吸う姿や餌台のフルーツに群がる姿を観察してもらうことができました。今年で2回目の観察会ですが、地域の皆さんに加え、他県からの方も増えました。さらに里山を整備し、途中に休む所などを増やし、時間をかけて散策してもらえるような観察会を今後も継続させて行きたいと思っています。

(11)調整池の水質浄化

2007年度の自然環境保全水質浄化の取組みについては、2基目いかだ作りを実施し、調整池に浮かべました。富栄養化を食い止めることができるか、今後の水質検査の結果や推移に期待しています。

■炭焼き

昨年に続き、調整池にいかだを浮かべるため、その材料となる炭焼きを行いました。調整池水質改善部会のメンバーを中心にチームを編成し、また、社内ボランティアのみなさんにも参加いただきました。3日間の総量が176?と目標以上の木炭を取ることができました。

■いかだ作り

7月14日(土)、社内の廃水や雨水が集まる調整池の水質を良くするための"いかだ作り"(いかだ式湖沼浄化システム)を昨年に引続き調整池水質改善専門部会の音頭で実施しました。いかだの材料は前回同様、結束する紐や木炭を収める袋以外は、木材・竹・木炭・水生植物の葦などすべて社有林より調達し、社員有志で2基目を製作し調整池に浮かべることができました。

(12)グリーン購入

環境に配慮した物品優先購入の取組みについては、事務用品を初め、稟議を必要とする物品等の購入についても各部署で検討し進めました。まだ特定部署を中心とした取組みでしかないため、今後全社的な取組みが必要といえます。

■事務用品グリーン購入

  • まず購入の必要性を考慮し、品質や価格だけでなく環境を考慮した環境負荷のできるだけ小さい商品(エコマーク・グリーンマーク・GPN・グリーン購入法適用等の商品)を優先的に購入しました。

■一般稟議書の様式変更

  • グリーン購入のチェックができるよう、一般稟議書の最下欄に環境負荷チェック欄を設けた様式に変更しました。物品購入の際、カタログや納入業者に確認し記載してもらいました。

(13)上水道使用量

2007年度の上水道使用量については前年比31.0%低減となり目標を達成できました。これは取組みの成果も勿論ありますが、前年11月に漏水箇所が発見され修理を行った結果が大きく影響しているといえます。今後は定期的な漏水チェックを行い早期発見に努めて行く必要があります。

■雨水の利用

  • 昨年設置した1,000リットルのタンク2基の雨水を植栽への水やりに活用することで、上水道の使用量を削減することができました。

■打ち水大作戦参加

8月10日に長野県いっせい「打ち水の効果をはかってみよう!作戦」が行われ参加しました。昨年に続き2度目の参加となりますが、社員が自宅から持ちよったバケツを使い、2,000リットルの雨水貯留タンクの水を玄関前の路面に一斉に打ち水をしました。昼休みの15分間に36名が参加し、1,100リットルの雨水を散水しました。

今年度以降の目標

2008年度は、引き続き「環境保全型農業」を支援する作業機の開発をします。
電力使用量、上水道使用量、ガス・灯油使用量の削減を図り限りある資源を大切に使用します。「燃やすしかないゴミ」の焼却量を削減します。削減目標は経営方針「トータルコスト10%削減」に連動させます。
国蝶「オオムラサキ」の生息は自然環境保全と深く結びついています。社有林の手入れを林務行政や地域森林組合から学び、四季折々地域に公開できる里山として育成を図ります。

2008年度以降の目標値 年間(1-12月)

2008年度2009年度2010年度
電力使用量 (KWh/年)2,066,269(10%減)1,859,642(10%減)1,673,678(10%減)
空調におけるガス使用量(t/年)236(10%減)212(10%減)191(10%減)
空調における灯油使用量(kg/年)69(10%減)62(10%減)56(10%減)
燃やすしかないゴミの単純焼却量(kg/年)3,339(10%減)3,005(10%減)2,705(10%減)
紙(帳票)使用量 (kg/年)1,134(10%減)1,021(10%減)919(10%減)
紙(コピー用紙)使用量(kg/年)2,882(10%減)2,594(10%減)2,334(10%減)
上水道使用量(t/年)8,519(10%減)7,667(10%減)6,900(10%減)

経営方針、トータルコストダウン活動の展開・・・10%/年3年間27%

環境関連法規への違反、訴訟等の有無

地域条例をはじめ関係法令の見直しを実施しました。
関係機関や地域周辺等から特に指摘はありませんでした。
また、訴訟等も同様です。

代表者による全体の評価

エコアクション21認証取得から3年が経過し、使用量の削減など省資源に対する意識の変化は大きなものがあり、経済的効果も表れ大変喜ばしいことです。

昨年から社業である農業用作業機の開発も環境保全型農業を支援する製品や省資源に役立つ商品化を図っています。さらに多くの機種を発売に結びつけ社業での貢献をおこなっていきたいと思っています。

環境管理委員会の下部組織として設置した各専門部会は、職制組織とは異なる横断的な組織としました。部会長、部会員に適任者を得て職制組織を指導しながら活動を展開し、人材育成の視点からも効果的でありました。初期の目的を達した部会は発展的に解消し職制組織にスムーズに引継いでいくこととしています。次期、ペーパーレス化部会は解消させる予定です。部会長はじめ部会員の皆さんたいへんご苦労さまでした。

電力使用量の削減は社会的要請が極めて強く、さらに経費削減の期待は経営課題として大きなものがあります。不本意な結果に終わり製造部を核にした職制組織で取組を始めていますが、英知を集め目標をめざして皆で努力しましょう。

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